スポーツ

2013年09月24日

野球道/桑田真澄、佐山和夫



野球道 (ちくま新書)


桑田真澄氏と、ノンフィクション作家で日米の野球史に詳しい佐山氏との対談。

桑田氏が現役の時から、そしてアメリカの野球を経験し
引退後に早稲田大学大学院での研究などいかに野球に
ついて思い入れを持って勉強してきたかがわかる。


野球選手はもちろん、アマチュアの指導者も桑田氏の
考え方から学ぶべきところは多い。




桑田氏
勝ち負けはスポーツの楽しみの1つですけど、それは
スポーツの楽しさの唯一の要素じゃないですよね。
スポーツで頂点に立てるのは一人、または
一チームだけなのに多くの人がスポーツを楽しめるのは、
勝利を目指すプロセスそのものに楽しさがあるからです。

佐山氏
私たち日本人は、勝負を争っていても、そこには
それ以上のものがあることを少なくとも認識している
と思うんです。

我々はせっかくそんな良い歴史と国民性を持っている
のだから、ベースボールをいいゲームに高める能力がある。
それが野球の世界的な発展への貢献でしょう。

(第2章 71ページあたり)



指導者自身が怒鳴っているだけじゃなくて、
選手たちにも始終、声を出せと強制しているけれど、
キャッチボールするのにずっと声を出している必要
なんかありませんよ。

キャッチボールは野球の基本中の基本だから、
捕球することや送球することに集中して練習するべきです。
(第3章 89ページあたり)


従来の指導の最大の問題点に練習量のことがあります。
(第3章、90ページあたり)



印象的な箇所としては、

第1章
「アッパースイングでなければ打てない」
「練習は量より質」


第2章
「野球道をスポーツマンシップで再定義する」
「フェアな日本野球」
「いかさま文化を真似てはならない」


第3章の
「三角形の頂点でボールを捕れ、のおかしさ」
「自分もやらない捕り方を教える指導者たち」
「肩を落とさずに投げろ、は間違い」
「イチローが投手として大成しなかった理由」


第5章
「野球の未来のために」
「ここはほとんどすべてがなかなか興味深い」
「ルールは変えてよいもの」
「フランチャイズ制は消滅する」
 (・・・これはサッカーと逆をいきますね。)
「野球を歪ませたDH制」
「アマチュアから野球を変えてゆいく」



佐山氏

学生もプロの選手からもっと教わるべきだ
という意見にもたしかに一理ありますけど、
それは身体のメンテナンスについてとか、
怪我をしない方法とか、トレーニング方法についてとか、
本当に必要なことを教えてくれる場合に限ります。

こうすればアンパイアにばれないでうまくいくとか、
そんなことを教えてもらっては困る。


桑田氏

たしかにプロの経験者は、技術ばかり教えて
精神を教えませんね。
精神という土台があった上での技術じゃないとダメですよ。

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mineshingo at 10:24|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年05月02日

挑戦者たち〜甲子園と高校野球 挑み続ける男たち〜



ノンフィクションが7つ。

ほとんどが、指導者目線の内容なんだけれど、
これはねえ、、けっこう感動しました。それぞれ。

野球にかける思い、情熱、
生徒たちを思う気持ち、愛情、
創意工夫と、向上心

(文章のまとめ方がまた上手なのだ。)

野球だけじゃなく、サッカーもバレーもテニスも柔道も
すべてのスポーツにおいて共通しているところですが、

指導者も選手もいかに志や目標を持ってやるか

それは、教育者と生徒、企業人の間でも同じことでしょう。

今回、ほんとにたくさん印象的な部分があり、
赤線とか引きながら読んだらたぶん真っ赤に
なるぐらいだが、

恒例の、気になったところを少し書いてみる。
これはほんの一部だから、ぜひ手にとって
読んでみてほしいですね。おすすめの1冊です。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
目標というのは、努力だけではなかなか達成できない
けど、目的は達成できると思うんです。

ウチは「日本一になろう」というのが目標で、
目的は「社会に出て行く時のために、しっかり
リーダーになっていこう」というもの。

3年間常に自分を高めるために頑張って、
最大限自分の力を発揮するということが
できていたら、将来的にはいろんな場所で
必ず生きてくる。

だから、目標を達成できるのは
全国て4200校あるうちの1校かもしれないけど、

目的を達成することに関しては、
そのすべての高校が、
全員が成し遂げられるものなのだから、
まずそちらを追い掛けていく。

そのうえで日本一という、
俺たちは両方を追い掛けていく3年間
なのだから、

お前らは誰も敗者なんかじゃないんだ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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mineshingo at 02:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年04月23日

大学ラグビー(といっても関西やねんけど)

先日、日本代表CTBで歴代最多キャップを持つ神戸製鋼の元木由記雄氏が、京都産業大学のコーチに就任というニュースを見た。


京都産業大学といえば、関西の大学ラグビー界では、同志社大学と肩を並べる伝統校。平尾・大八木・林といったスターを擁し、大学選手権3連覇を成し遂げ、関西の雄であるスター軍団同志社大学に、無名選手の集団ながら練習量の多さと練習の厳しさで対抗する京産大、いつしか関西リーグの最終戦はいつも同大vs京産大のカードがお決まりとなっていた。


僕はといえば、それまでラグビーなんてもちろんやったこともなく、TVドラマでスクールウォーズを見て少し興味を持ったものの、前に投げてはいけない、トライしたら4点入る(当時はね、)、15人で行う、ぐらいしか知らなかった。

ところが、テレビ中継で試合を観たり、宝ヶ池競技場に足を運び(連れどうしのひまつぶしか)、生で試合を観たときには、なんやこれ、けっこうおもしろい、楽しい(観戦がね、)・・となり、

知らず知らず、しかしどんどん、ひきこまれ、のめりこんでいったのだ。


冬枯れの芝生、楕円形のボールを泥臭くも愚直に前へと運ぶ。当時の京産大といえば、強力なスクラム。
スクラムだけは同志社はもちろん、関東の強豪校にだって負けない。早稲田のスクラムは粉砕し、明治にだって互角以上、むしろ押し込むこともあった。(でもめったに勝てなかったけど)

大学選手権、花園で早稲田を倒したときは感無量だっただよぉぉ。

ユーミンの、「ノーサイド」がラグビーのことだと知ったのもこの頃。
ノーサイド、いいなあ。メロディーも歌詞も、なんか泣ける。




前田選手がいて大学選手権で初めて準決勝進出し、国立競技場で明大を相手に前半を15−3で終え、TVで見てるこっちもびっくりした時から、(後半は0点に抑えられて負けた)、吉田明選手の時代、日本一のキッカー廣瀬選手のいた時代、そして快速ウイング誰もが知ってる大畑大介の時代。

当時、まだ創立20年前後で、新興大学だった京都産大、就職活動のレベルでも合コンの人気度でも、世間の評判でも、関西では関関同立や国立大にはなかなか及ばず、頑張れど伝統のある大学にはもう1歩及ばない、そんな状態と、産大ラグビー部の、「スター選手は少ないけれど、一生懸命に力をつけてきて、伝統校と互角に渡り合えるところまできつつも、あともう1歩届きそうでとどかない。」という境遇を勝手にダブらせてたかもしれない。


それ以降、ラグビー部の成績が低迷していくのと時を同じくして自分も京阪神を離れ、すっかり応援に行くこともなくなり、最近ではTV中継ですら見られない。淋しいかな、選手もまったく知らなくなってしまった。


最近は天理大が関西勢では唯一気を吐き、関東の強豪と互角に戦っているが、やっぱり同志社、京産大が強くないと関西リーグは盛り上がらない。(大体大もね)

元木さん、よろしくたのんまっせ。




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2013年04月18日

日本のプロ野球と外国人選手

2人しか試合に出られない、ただし、支配下登録は3人まで可能。という時代が長く続いていたが、気が付いたらなんだかたくさんいてた。

そして2012年では、支配下選手登録は、何人でもOKで、一軍登録は4人まで。ただし投手ばかりで4人、野手ばかりで4人はだめ。(野手3人と投手1人などとしないといけない)

なんてことになっているようだ。なるほど最近増えてきたなと感じでたのは、規定がそういうふうになっているんですね。

枠がひろがったせいで、じつにいろんな国から来るようになった。選手名鑑からざっと拾い出してみただけでも、10か国50人以上。もちろんアメリカ合衆国出身が圧倒的に多いけれど、あとは中米、ドミニカ、ベネズエラが多い。

今年のWBCで、オランダやイタリアの躍進があったように、このような新興国からどんどん人材がやってきて、日本のプロ野球で活躍すればいい。

日本のプロ野球が決してメジャーへの人材供給機構に成り下がるのではなく、MLBと対抗するようなリーグとして発展していくには、WBCで活躍できるレベルの外国人選手をどんどん受け入れることも、有効かもしれない。


どうなんだろう。日本から見ると、MLBは、まあさておき、

「キューバの野球」あるいは「キューバ野球」

という言い方をすることがある。それはやっぱり特色があるからだろう。
同じようには、「ベネズエラの野球」とか「ドミニカの野球」、あるいは、「韓国野球」
とは、あんまり言わないですよね。

他の国から見ると、
「日本野球」というカテゴリーはあるんだろうか。


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mineshingo at 23:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年04月06日

甲子園での連投の問題

http://news.livedoor.com/article/detail/7569215/

結構しっかり分析されてますね。
確かに春夏(特に夏)の甲子園大会は、とてつもなく大きい存在ですよね。選手にとっても学校にとっても。関係者だけじゃなく周りの注目度もものすごいし。

高校のクラブ活動という見方をすれば、野球で甲子園で優勝するのと、マイナーな競技で高校総体日本一になるのと、同じ日本一なのに、まったくまったく違いますもんね。。

文中で、
>近い将来、甲子園で大活躍した投手を擁するチームの監督が、「彼は投げすぎです。彼の将来を考えて、
>決勝戦では投げさせません」と明言する姿を見てみたい。
>そのときに、日本の野球は変わるのではないか。

とありますが、かつてのPL学園は、複数の投手体制にしていたし、智弁和歌山なんかは必ず3人ぐらいは投手を用意する。過去に高塚投手という例外はあったけれどね。 
まあ、それでも今回の済美高校の安楽くんのように、絶対的エースが生まれた年にあたったら、エースと心中ってことになるのかなあ。

保護者や、講演会や学校、OB・・・いろいろすていくほるだーというか、利害関係者というか、ああ。複雑だ。

メジャーやWBCの流れを考えると、球数制限、イニング制限など規制の方向に向かうのは時代の流れでしょうね。

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mineshingo at 18:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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