2013年05月22日
バウルを探して〜地球の片隅に伝わる秘密の歌
バウルを探して/川内有緒【著】
アジアとか、南米、アフリカなどの旅行記が結構好きで、
今回は、バングラデシュ。
バングラデシュといえば、インドとミャンマーに挟まれていて、
幸せの国で有名になったブータンの南側に位置する。
最近まで「地球の歩き方」もなかったマイナーな国。
そこに昔から伝わっているらしい、「バウル」といわれる音楽
を探していくというもの。
探し訪ねていくなかで、バウルとは、たんに伝統的な民族音楽
などではなくて、宗教的儀式でもなく、そういうものを内包した、
あるいは超越したところにあるもののようなのだ。
神秘的でもなく、幻想的でもなく、スピリチュアルなものでも
なさそうである。
例によって、印象的な部分を。
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その国に生まれた以上、巨大な歴史の奔流に逆らっては
生きられない。
人は、生まれてくる場所も時代も選べない。
だから時に、その地が抱える理不尽さを丸ごと
受け入れるしかない。
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すべての善と悪が子どもに受け継がれる
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あるべき自分はすぐそこの鏡に映っていても、
自分自身の手は届かない。
何かを乗り越えられない。
手放せない。
なりない自分になれないという、やるせなさ。
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旅をすることは誰にもできる。
旅で何かを発見したり、感じたりすることも、誰にでもあることだ。
人によってそれが、
その後の人生を左右するような、大きな出来事と感じることも
あれば、
同じ経験でも、それほどには影響を受けない場合もあるだろう。
そして、その経験を、誰かに伝えることの出来る人は、
あまり多くはいない。
ましてや文章にできるなんてなおさら。
そういう意味で、表現力のある人には、あこがれる。